ブロッサム・ディアリー『ウィンチェスター・イン・アップル・ブロッサム・タイム』 [音楽]
女性ボーカルで私の五本の指に確実に入るのが、このブロッサム・ディアリーだ。その彼女の数多くのアルバムの中でも私が特に愛するのがこれである。あの独特な歌声は一度聞いたら忘れられないほどの個性だが、たまに食傷ぎみになる時もある。しかしこのアルバムは何度聞いても嫌にならない。
何も考えたくない時やあるいはむしろ考えることが多すぎる時にこれを聴く。何も聴きたくない時でもこの音楽は私に寄り添ってくれる。考え事をしていても邪魔にならず、むしろ考え事が進む。そういう聴き方ができる不思議な音。
彼女もとてもリラックスして歌っているのがわかる。個人的には日曜日の昼下がりにまったりと聴きたい。カーテン越しの日射しのような歌。しかし真夜中でも午前中でも全然いける。
よく名盤紹介で出されるヴァーヴの『ブロッサム・ディアリー』を私は入門編としてはあまりお勧めできないと思っているが、この『ウィンチェスター』は間口が広いので、ジャズ好きもポップス好きもヴォーカル好きもいけるんじゃないかと感じる。もしよかったらぜひ。
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