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『トランスフォーマー』 マイケル・ベイ [映画]

 『アルマゲドン』でも思ったが、マイケル・ベイが描く物語は前半部が圧倒的に面白い。
 『アルマゲドン』は後半のしょぼさを補ってあまりある中盤までのテンポの良さ、映像の素晴らしさ、煽るだけ煽ってしまえ的なあっけらかんとした明るさに満ちていたと思う。後半の隕石に到着した後は、はっきりいってもういらない。地球から娘たちが見守っている中、隕石が宇宙空間で爆発した、みたいなシーンだけで終わらせて良かったのではないか。
 で、『トランスフォーマー』だが、近いことを感じた。(以下、未見の人は注意)


トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション

トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD



 米軍が謎の機械生命体に襲撃され、ハッキングされる。生き残った精鋭部隊はその報告を伝える為に砂漠の街への決死行をする。
 ハッキングの対策をしていたところ、大統領専用機からデータをハッキングされるのに気付く。
 ある冴えない青年が自分の車を欲しがり、ありとあらゆる手立てで金を工面し、成績を上げ、父親と中古車専門店へ買いに行く。謎の黄色い車と出会い、美人のクラスメイトを載せるのにとりあえず成功する。
 これらの平行して進む物語はいよいよテンポ良く、無駄がない。練り込まれている。かっこ良い。スタイリッシュである。お、これはいかにも子供っぽい題材をもとにかなり硬派なつくりにしているのかな?とおもいきや、次第に話は少しずつズレてきて、おちゃらけていく。やっぱりマイケル・ベイだった。
 笑えるほど死亡フラグが立ちまくっている軍の男は最後まで生き残るし、ハッキングに気付いた学生の女がハッキング元を確かめるために機密データを盗んで向かったのはゲームばかりしている黒人の男の家(かなり裕福)だし、青年が誘った美人のクラスメイトは車を分解して組み立てられるほどのマニアだし、父親は犯罪者だし、助けを求めた警察はラリっているし、青年の両親はものわかりよく良識ぶっているし、どこかの家の少女はオートボットを見て妖精だと思い込むし、オプティマス・プライムたちはあんなでかいのにせっかちだしと、あちこちでそういうくすぐりがあってそれは子供も大人も笑える種類のユーモアだったのは間違いない。
 後半、やはり物語はなくなり、戦いと破壊へ突き進むわけだが、ロボット達の戦闘と人間たちの卑小さが鮮やかに対比させられて、見物だった。とはいえ戦闘シーンはいくらか退屈してしまうが、トランスフォームの映像がものすごかったので、『アルマゲドン』後半ほどには退屈しなかった(もっと大雑把でも良かった気はするけど)。途中、日本の戦隊ものの巨大ロボットのシーンかと錯覚した。
 おおむね全体としては充分楽しんだが、思い返すとやはり前半部のワクワク感が一番で、そこと後半部の決着した時の感動がいささか食い違っているような気がした。見たことがないものを見せてくれる期待に満ちていたのに、結末はどこかで見たことがあるようなものだったという感じ。そこに齟齬を感じてしまった。
 それを、普段はやる気のない人がやるときはやるぜ、という風に受け取れれば問題ないのだろうが、私はそういうのは面白くないので。トランスフォーマー2では、ぜひそこんとこを引っくり返してほしいと思う。
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