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ブロッサム・ディアリー『ウィンチェスター・イン・アップル・ブロッサム・タイム』 [音楽]


ウィンチェスター・イン・アップル・ブロッサム・タイム

ウィンチェスター・イン・アップル・ブロッサム・タイム

  • アーティスト: アドルフ・グリーン
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2005/12/28
  • メディア: CD


女性ボーカルで私の五本の指に確実に入るのが、このブロッサム・ディアリーだ。その彼女の数多くのアルバムの中でも私が特に愛するのがこれである。あの独特な歌声は一度聞いたら忘れられないほどの個性だが、たまに食傷ぎみになる時もある。しかしこのアルバムは何度聞いても嫌にならない。
何も考えたくない時やあるいはむしろ考えることが多すぎる時にこれを聴く。何も聴きたくない時でもこの音楽は私に寄り添ってくれる。考え事をしていても邪魔にならず、むしろ考え事が進む。そういう聴き方ができる不思議な音。
彼女もとてもリラックスして歌っているのがわかる。個人的には日曜日の昼下がりにまったりと聴きたい。カーテン越しの日射しのような歌。しかし真夜中でも午前中でも全然いける。
よく名盤紹介で出されるヴァーヴの『ブロッサム・ディアリー』を私は入門編としてはあまりお勧めできないと思っているが、この『ウィンチェスター』は間口が広いので、ジャズ好きもポップス好きもヴォーカル好きもいけるんじゃないかと感じる。もしよかったらぜひ。
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YMCK SONGBOOK [音楽]


YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-

YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-

  • アーティスト: 井上陽水,森田童子,吉田拓郎,泉谷しげる,遠藤賢司,小田和正,友部正人,除村武志
  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • 発売日: 2008/09/24
  • メディア: CD


YMCKのニューアルバムにしてフォークソングのカバーアルバムです。最高。
まず選曲がよいのです。陽水の「夢の中へ」なんかはまだしも拓郎の「人間なんて」、陽水の「傘がない」、エンケンの「満足できるかな」、そして特に友部正人の「まるで正直者のように」などは普通カバーしないでしょ。そしてこれら往年の名フォークソングをあのファミコン音でピコピコ鳴らし、女の子のウィスパーボイスで歌う。そんなことはこれまで誰もしませんでした。それをしてしまうYMCKが大好きです。もともとの彼等のオリジナル作品も好きだが、今回のこの企画には正直いってノックアウトされました。
人間なんてららーらーらららーらー・・・と、あの調子でポップに歌われると、無情な感じがいやまして素敵です。THIS IS POP!
小田和正のことはそんなに好きじゃないけれど、この「言葉にできない」のサウンドクリエイトは素晴らしいものでした。
フォークソングのウェット感を完全に踏みにじるこのピコピコ8bit音楽は、しかしある世代にはある種の郷愁を感じさせる音です。それはフォークソング全盛の70年代にまさに生まれた私のような世代に直撃です。訥々と歌い上げることで我々の親たちの共感を得ていた歌が、このように生まれ変わり、それを享受する子供たちがいるという事実。これをフォークへの冒涜とみるのか、それとも遊び心と許容するのか、それとも大まじめととらえるのか。
少なくとも、歌はこの転生に耐えうるだけの強靭さを持ち、音に決して負けていません。言葉は老朽化せず、メロディは今なお訴えかけてきます。そして、私はこの「踏みにじり」加減がとても好きなのです。一足とびで先に進もうとする決意と確信、踏みにじってはいけないと誰かがいうその頑なさを蹴飛ばしてしまうような強さに憧れます。
キャッチーですが、ある意味とても渋いアルバムです。


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『あれからどのくらい』 友部正人 [音楽]

あれからどのくらい

あれからどのくらい

  • アーティスト: 友部正人
  • 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: CD

・・・ほんとうにびっくりして、身を委ねて、そして気持ち良かったです。

友部さんは、もうすぐデビュー35年になるところですが、この『あれからどのくらい』というライブ録音は30周年の時の記念盤です。
鎌倉芸術館で行った記念コンサート(5時間もあったという・・・行きたかった)から厳選された26曲が収められています。
いやもう音が素晴らしいです。豊かな音のざわめきというか、とにかくバックの音楽が友部さんの歌声をどっしり楽しげに受け止めているのです。
とくに私が好きなのはムーンライダーズの武川雅寛さんのヴァイオリンとトランペットとコーラス。しなやかで、明快で朗らか。そしてなにより艶っぽい。Mr.サポートマンです(意味不明)。

「鎌倉に向かう靴」といった最新曲から「一本道」といった代表曲まで縦横無尽に歌い尽くします。
あ、これはこの前のアルバムに入っていた歌だ、と思うそばから過去の名曲がはじまり、友部正人さんの長いキャリアのその深淵を覗き込むような気分になるのがまたたまりません。通して聴くとどれも友部さんの匂いみたいなものが感じられます。たくさんの歌が友部さんの中に大切にしまわれていて、それらを吟味してからそっと取り出しているように思われます。
その歌が仲間たちのバッキングとからみあい、水を得た魚のようにいきいきと輝き泳ぎはじめる瞬間。

オリジナルはオリジナルでよいのですが、ライブ盤ならではの緊張感がありつつも、なごやかな空気がそこには流れています。不思議な雰囲気の音楽。すでに知っている歌ばかりで2枚組だからなあ・・・とちょっとだけ敬遠していたファンはもったいないことをしていますよ!(それは私のこと)

もしも何も知らない人が初めてこれを聴いたらどんな顔をするだろう?と考えて、いや、きっと声か歌詞か音楽かのいずれかに何かしら衝撃をうけるに違いないと踏んでいる私なのでした。
そういうふうに開かれています。

そうそう、3月に新作アルバム『歯車とスモークドサーモン』が出るそうです!『LIVE! no media 2006』のDVDも2月だそう。


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ジョアン・ジルベルト 『最後の奇跡』  2006.11.8 [音楽]

ジョアン・ジルベルトの3回目の来日公演に行って来ました。私自身にとっては2004年に続いて、2度目のライブ。
少し感傷的な文体で書くのでご笑覧ください。

※ ※ ※

この会場を占める静謐な空気はジョアンだけがかもし出しているのではない。
またオーディエンスだけが頑張ってつくり出しているわけではない。
両者がともにつくりあげているのだ。
だから、このライブが終わった瞬間にジョアンと一緒にやり遂げた、という誇らしい気分になるのだ。

眠る女性、遠くで咳込む人、リズムを取って椅子を揺らす一つとなりのおじさん・・・正直云って僕をいらいらさせる。
でも、そんないらいらも時が進むにつれて、いとおしさすら感じさせる。ぼくのいらいらもこのライブの空気の一部となり、観客と共有し、ジョアンと共有するのだ、きっと。
ジョアンも自分の演奏、唄、演出や観客の態度などに満足したり、うっとりしたり、ときにはいらいらするかもしれないのだから。

すぐ後ろで講釈を垂れていた若者。「巨匠はみんな死んでしまった、あとはジョアンだけだ」なんていってたけど、ジョアンが「三月の水」を唄い始めたら、無邪気に拍手喝采、惜しみない賛辞を叫ぶ。僕の代弁者だ。嬉しい。

斜め前で眠りこけているお嬢さん、あなた、その席がいくらすると思っているの?そんな良い席で音も抜群、なのになんで眠ってしまったの、仕事が大変だったの、などと憤慨しそうになる。でもジョアンの「声とギター」を子守唄に眠れるなんてやっぱり世界中で今ここだけの贅沢だよ。

曲間で出入りする人たちもたくさんいて、決定的な物音をたてずに席に着けるかどうか、そんなことばかり気になってしまったけど、そんな人たちもきっとよんどころない事情があったのだろうなあと、ふと思い直す。

目覚めた女の子、君はとてもラッキーだ。ジョアンの声は君が眠りにつく前よりいっそうつややかだし、ギターだって星のように鳴り響く。良い時間に起きたね。

途中から、ぼくの頭のてっぺんから足のつま先までぴんとつらぬいている「芯」のようなものがじわんと痺れてきて、今日の昼間あったつまらない出来事や、明日以降フォローしなくてはならない問題が浮かんでは消え浮かんでは消えていたけど、その「じわん」が頭の中心へ染み込んでいって離れないので、もうずっとこの時間が続けば良いのにって思った。

「想いあふれて」を唄い出した時に、ぼくは、まだ早い、お願いだからもう一曲だけ唄ってジョアン、と焦った。焦りながらぼくはジョアンと一緒にくちずさんで唄った。
終わってしまうことがこんなにおそろしいことだとは!
が、ジョアンは唄い終わってからまだギターを手放さなかった。ところが、始まったのは「ヂサフィナード」。ぼくは再び思った、お願いだからもう一曲だけ、と。
そして次は「コルコヴァード」だった。もう終わる、でもこの曲では終わらないだろうな・・・と思ったとたん始まったのが「イパネマの娘」だった。

「イパネマの娘」!

2004年の公演では聴けなくて、心残りだった曲。ぼくがジョアンの歌を初めて聴いたのもこの曲だった。
だから、この曲で終わりだろうな、と思ったらやっぱり唄い終わったジョアンはギターを手に去って行った。最後におじぎを3回して、去って行った。

ぼく達はやり遂げた、ジョアン。


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